・パール・バック「大地」を読んで (その3)2025.3.6
男女の違いについて、昔は、男性は男らしく、女性は女らしく、男性は仕事の苦しみがあり、女性は生みの苦しみがあって、それぞれに役割があると教えられてきました。太古の昔、男は狩りをし、女は子供を育てると言う役割は、神が与えたもので、そう考えられていました。男は荒々しさが、女は子供への優しさが必要で、体つきもそのようになっています。

現役時代に女性への活躍が期待され出した頃、女性社員に責任を与えようと仕事をお願いしたところ、その気はありませんと断られました。妻や娘たちも男のように働くことは嫌がりました。理由は、そのように育っていないからです。
最近の外国研究で、男女の違いについて、わかったことがあります。2、3歳の子供におもちゃで遊ばせる実験を行ったところ、男の子は自動車、女の子はお人形などで遊ぶ子がほとんどでした。調べてみると、親が男女で遊ばせるおもちゃを変えていました。差のない子は、親がおもちゃを分けていませんでした。子供は遺伝ではなく育つ環境で意識に差が出ることが分かってきました。
昔は、男は家族を養う責任があり、逃げ回ることは恥だと言われ、女性にはそれを求められませんでした。仕事から逃げても許される風潮がありました。現在活躍している人たちは、親を含め周りの環境が違っていたのだと思います。
日本で重要なポストに就く女性が少ないのは、育った環境のせいです。議員など女性の割合を増やす目標を立てても、なかなか増えないのは理解できます。女性の働く環境を改善する以外に、女性の意識を変えるため、子供の頃の成育環境を変える必要があります。
とは言うものの、女性の神秘さに変わりはありません。子供を産む女性の苦しみとその喜び、なぜこんな苦しみを味わうのだろうと思いながらも、生命の誕生に関わる神秘な女性たちに敬意を払わざるを得ません。
つづく