Jun's Blog

・・・慈しみと寛容・・・


・五木寛之「生きるヒント」2025.7.21

人生論の本は数多く存在します。若い頃、私もよく勧められました。しかし、型にはまった考え方に陥り、他人を批判したり、理想とのギャップに悩んだりしていました。今思えば、それは成長過程における一つの段階だったのでしょう。

五木寛之は、「青春の門」や「親鸞」などを執筆した直木賞作家です。彼は、4年間の休筆期間を経て龍谷大学で仏教史を学んでいます。彼の著書「生きるヒント」には、「人には三つの制約がある」という一説が出てきます。

その三つとは、「人は自分の意志で生まれてこない」「人は必ず死ぬ」、そして「生きる期間が決まっている」、というものです。これらは人間としていかんともしがたい現実であり、五木はこれらの制約を受け入れ、「肩肘を張らずに生きる」ことを提唱しています。また、「男もぺらぺら喋ってもいい、思うように生きればいい」とも述べています。若い頃の自分を振り返ると、もう少し肩の力を抜いて生きていればよかったと感じています。

先日、4年ぶりに同窓会に出席するため東京駅の丸の内側広場を歩いていたところ、大学生が「地球温暖化防止のため、署名をお願いします」と声をかけてきました。地球温暖化は重要な問題であり、私も関心を持っています。しかし、その学生は地球温暖化の歴史や大気中のCO2濃度について詳しく知らなかった。彼の熱意は理解できますが、肩肘を張り過ぎているように感じました。大学生ならば、もう少し知識を身につけ、問題を深く知るべきではないでしょうか。