Jun's Blog

・・・慈しみと寛容・・・


・D.H.ロレンスの代表作「息子と恋人」を読んで2025.5.30

小説の舞台は20世紀初頭のイギリス、ノッティンガムシャーの炭鉱町。主人公のポール・モレルは、炭鉱夫の父ウォルターと、元教師の母ガートルードの間に生まれます。

粗野で酒飲みの父に対し、知的で繊細な母は不満を抱え、息子たちに愛情を注ぎます。特にポールは、母から溺愛され、強い絆で結ばれます。

成長したポールは、近所に住む少女ミリアムと恋に落ちますが、母はミリアムがポールの才能を理解できないと反対します。ポールは母との関係とミリアムへの愛の間で苦悩し、やがてミリアムと別れます。

その後、ポールは都会で働く女性クララと出会い、恋に落ちます。クララは既婚者であり、ポールとの関係は複雑に絡み合います。ポールはクララとの情熱的な愛に溺れますが、母との絆も断ち切れずにいます。

ポールは病に倒れ、母の献身的な看病を受けながら、自身の人生を振り返ります。そして、母の愛が自分を縛り付けていたことに気づき、母との関係を見つめ直します。

解説によれば、ロレンスの自伝的な要素が色濃い作品です。母と息子の複雑な関係、恋愛における葛藤、労働者階級の生活などが、繊細な心理描写と美しい自然描写で描かれ、当時の社会や家族制度、男女関係など、様々なテーマを扱っていると述べられています。