Jun's Blog

・・・慈しみと寛容・・・


・パール・バック「大地」を読んで (その2) 2025.2.28

私の学生時代は、女性に口がきけないナイーブな学生でした。容姿などの劣等感からでしょうか。無口で黙々と仕事や家事をこなしていた母は、戦前工場主の令嬢として育ちました。その影響だったのでしょうか、神秘に満ちた姿に女性を理想化していました。

社会人になって、女性と接する機会も多くなり、ナイーブな気持ちは薄れていきましたが、男女の秘め事をビジュアルを含めて売り物にする世俗的な社会には肌が合いませんでした。昔、ヨーロッパの若い神父が、自分を律するためにベッドに入る前に両手を縛り眠りにつきましたが、これは神が与えた試練であり、逆に神は若者たちにそれを与えていました。

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ピュアな女性への思いが今も少し残っています。紛争や戦争で女性が受ける虐待に、生理的に「なぜだ」という思いが強くあり、無残というよりも冒涜だと感じます。子供への虐待も酷いものです。

私の恋愛観は、理想の女性から犯すことのできない秘め事を許してもらえる、という普通の人の感情と同じですが、これを強く感じています。中学生時代に、古いコンクリート製のアパートで、理由は覚えていませんが、エプロン姿の若い主婦を見かけ、美しさに感動した覚えがあります。彼女は決して美人顔ではないのですが、清楚で目も輝いていて、後光がさしているようで、その姿が強烈な印象として残っています。今思うと、私の理想の女性像は、ずいぶん前に亡くなった母だったのでしょうか。

つづく