Jun's Blog

・・・慈しみと寛容・・・


・ウィリアム・サマセット・モーム「人間の絆」2025.5.4

「人間の絆」は、イギリスの作家ウィリアム・サマセット・モームによって書かれた自伝的小説です。

主人公のフィリップ・ケアリーは、幼い頃に両親を亡くし、牧師である叔父に育てられます。内反尖足という足の障害を持つフィリップは、常に劣等感を抱えながら成長します。信仰心を失い、聖職者への道を諦めた彼は、芸術に魅了され、絵を学ぶためにパリへ渡ります。しかし、画家としての才能に限界を感じたフィリップは、ロンドンに戻り医学の道へ進みます。

そこで、多くはない女性との付き合いの中、彼は、ある奔放な女性ミルドレッドと出会い、恋に落ちます。ミルドレッドはフィリップを翻弄し、彼に多大な苦痛を与えますが、フィリップは彼女への執着を断ち切ることができません。様々な経験を通して、フィリップは人間関係や人生の意味について深く考えるようになり、やがて自らの生きる道を見つけていきます。

この作品は、モーム自身の経験が色濃く反映されており、主人公の苦悩や葛藤がリアルに描かれていて、どうしようもない人間の情念が、この小説の中に流れています。