Jun's Blog

・・・慈しみと寛容・・・


・宮沢賢治と空想の世界

彼の作品を読むたびに、子供の頃の記憶が鮮やかに蘇ります。明治、大正、昭和という激動の時代を生きた賢治は、詩情豊かな作品の数々を後世に残しました。

質屋を営む家庭に生まれ、石や植物への深い関心を抱きながら、弱き者への共感を作品に込めています。鉱物、生物、宇宙といった壮大なテーマを扱い、その表現は時に複雑で難解ですが、そこには必ず希望の光が灯されています。

彼の作品に触れるたびに、私は遠い昔の記憶へと引き戻されます。子供の頃、実家の近くにあった宝仙寺女学校。夏には校庭にプールが作られ、私は他の子供たちと一緒に飛び込みを楽しんだものです。パンツがずり落ち、女生徒たちの笑い声が今でも耳に残っています。

私は小さいころ、東中野にある宝仙寺には、よく甘茶を飲みに出かけたものです。境内で出会った鳶職人がくれたビンに入ったカルピスは、薄かったけれどとても美味しく感じました。

昔を懐かしむことは、歳を重ねた証なのかもしれません。しかし、子供のように感動できる心を持つことは、前向きに生きる上でとても大切なことだと信じています。賢治の作品は、そんな私の心を優しく包み込んでくれる、かけがえのない存在です。